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宝塚の演目は、西洋もののミュージカルやダンスが多いのですが、「和もの」といって、時代劇などを着物で演じる機会もあります。その基礎になるのが日本舞踊です。

 入団して7年目のころ、本格的に日本舞踊に取り組み始めました。ところが、伴奏の三味線の音が全く聞き取れないのです。どこで呼吸したらいいのか、その間合いもピンときません。それどころか曲の始まりや終わりさえ分からない。「これは三味線から始めないと無理だ」と悟って、自分で長唄三味線の師匠を探し、公演の合間を縫って、早朝や夜に通い始めました。

 新しいことを始める時、原理、原則から学ばないと気が済まない性格で、ダンスを習い始めた時も、16ビートや8ビートなど、言葉が理解できないのが嫌で、ドラムを一から習いました。上辺だけで知ったつもりになって、前に進みたくないんですね。

 三味線の楽譜は五線譜とは違い、三つの弦を指で押さえる個所が示してあります。ただ、楽器そのものには印がついているわけではないので、木の継ぎ目を目安にしながら、手探りで音を出します。

 昔は譜面すらなくて、ひたすら師匠の演奏を聞き、目で見て、習得したのだそうです。日本の伝統芸は、そうやって師匠から弟子へと伝えられてきたのでしょうね。

 少し弾けるようになると、日本舞踊を舞う際に、自分が演奏して歌っているようなイメージを抱くことができました。息継ぎの個所が自然と見えてきて、動きに反映できるようになったのです。

 歌舞伎を見る時も、長唄や鳴物に注目するようになりました。合奏の時、リーダー格の三味線の方がバチを上げて、周囲に合図しているのに気づき、はっとしました。「今から弾きます」という意味です。ああ、ここで踊り手も次の動きに移ればいいのかと納得できた瞬間はうれしかった。

 最近は休日も自宅で弾いています。青森生まれで、津軽三味線に親しみを感じるからでしょうか。心が安らぐのです。リラックスして、「日本人だな」と実感します。伝統芸は生活の中に息づいていたのだと思います。三味線もきっと昔はおばあちゃんが家の縁側で、何気なく弾いていたのではないでしょうか。

 日本の伝統文化は、美しい身のこなし、いわゆる「所作」につながっています。おわんの持ち方から着物のえりの直し方まで、すべてが茶道や華道などにも取り入れられている。私は三味線を通じて、作法の美しさも知りました。舞台の上でも自然に出せるようになりたいものです。いつか、芝居の中で三味線を弾く機会があればいいですね。(聞き手・坂成美保)

ほくしょう・かいり 青森県生まれ。1998年、「シトラスの風」で初舞台。「パラダイスプリンス」(12月27日まで東京宝塚劇場で上演中)に出演。

(2008年11月26日 読売新聞)

男役に惚れるんだろうなぁ
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